アクセスダイアリーACCESS DIARY
  • 2021.3.21カテゴリー: アクセス日記 プライベート

    咲いたね、グラン
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    グランと一緒に桜が見れる日が来ました。 もう公開だね。

     

    2020年8月9日

    余命宣告を受けてからちょうど3ヶ月になります。あと6ヶ月、長くて9ヶ月の命・・・6ヶ月だとするともう半分も経過してしまったことになり、受け入れられないで一喜一憂している自分が本当に情けないです。2ヶ月くらいかかったでしょうか。「今この瞬間」の幸せを積み重ねていこう、この先何が起こってどうなるんだろうはもう考えない、と思えるまでに・・・

    まずは9月の13歳のお誕生日、次は10月の私のお誕生日、9ヶ月だとすればXmasが来て、2021年の新しい年も一緒にお祝いできる。いつか公開するであろうこのブログに書き込めるようになるのに3ヶ月もかかってしまいましたが、老犬としての衰えはあっても病魔には侵されていない穏やかな日もあり、誤診だったらいいのにと今でも思ってしまいます。

    でもこれがグラン。

    初めて食事を拒否した時に、動揺が隠せなかった私をグランは悲しそうに見ていました。車の座席に飛び乗れなくて抱っこで助手席に乗せた時、グランがごめんねって顔をしていました。そんな思いさせてどうすんの!仕事でイライラしている私のそばにいて、一番ストレスを感じていたのはグランなんだよ!まだエゴを押し続けるの?

    グランはどうすれば一番幸せなんだろうか・・・をずっと考えた結果、顎の切除はしないで対症療法を選択し、抗がん剤も投与せずに普通の暮らしを続けることにしました。今でも自力でご飯を食べ水も飲み、歩いてお散歩に行ってウンチもオシッコも自力でできています。車に乗って一緒に通勤もしています。

    「悪性黒色腫」の診断名が出て3ヶ月。「あなたが指示を出さないとボクは動けないんだからね」と言われた気がしました。「あなたが何故悲しい顔をしているのかボクにはわからない」とも。

    私の勝手な悲哀でグランを巻き添えにするのはもうやめよう・・・グランと精一杯寄り添って生きて行こう。と、何度も何度も自分に言い聞かせています。

     

    2020年8月23日

    昨日、羽田の暖家支援前で、毎日グランと散歩をしてくださっていた方と会いました。最近は日課の散歩がなくなり少し寂しげでした。

    グランは訓練を受けているので吠えることはありません。私たちも声を聞いたことはなかったのですが、散歩の時だけは別。羽目を外して普通のワンコに戻れるのを許してやりたいのは山々ですが、セラピー犬として躾を大切にしてきた手前心中は複雑でした。

    今は体力も落ちてゆっくり・・・体調によっては拒否することもありますが、出来る限りぎりぎりまで一緒に歩いてほしいから、長くお散歩を担当してくださったご厚意をお断りして、今は私とだけのお散歩タイム。

    グランの楽しみを引き裂いているのは私?暖家支援をコロナの感染防止を理由にしてシャッターを降ろしたままにしているのは私?口腔の腫瘍がどんどん大きくなって浸出液も絶え間なく出て、見た目を気にしている私のせい?グランとの思い出がいっぱいのあの場所が辛くて逃げている私がいます。「元気なグランを覚えておいてほしいから」と、羽田に一緒に行けない私がいます。言い訳ですか?

    恐いんです。苦しむ姿を見ているのは辛いですが、今は目の前にいてくれます。グランのぬくもりを手で確かめることができます。それが思い出になる時の方がもっと辛い気がして恐くて恐くて・・・

    びゅんびゅんシッポを振って体中で喜んでくれたあのグランではなくなりましたが、最近少し振ってくれたんです。それが嬉しくて。それでいい。もうそれだけでいい。

     

    2020年10月18日

    残暑が厳しくて、夜と昼の温度差も激しくて、雨の日も多く、でも気が付けば秋の気配・・・そして、グランが戻ってきました。奇跡のような笑顔が戻ってきました。自分からお散歩に誘って前足・後ろ足の準備運動をし、よく食べ羨ましい限りの快便です。キセノン光治療の効果もあって腫瘍も少し小さくなり、浸出液が殆ど出なくなりました。

    常に涎を拭き続け、いつまでこんな状態が続くのだろうと先の見えない療養に迷いと後悔さえ出始めていましたが、提案してくださった老犬デイサービス緩和ケアDr.やスタッフの皆さんに感謝です。そして、寄り添うことの意味をあらためて教わったこの縁に感謝です。家族が何を悩み、何に励まされ癒されるのか、大切なことを緩和ケアのスタッフの皆さんに教えていただきました。

    目標だったグランの13歳のお誕生日を9月3日に迎え、一か月後に私のお誕生日も一緒に迎えることができました。65歳、私も高齢者の仲間入りです。グラン、最高の笑顔で生きて行こうね。
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このブログに登場するワンちゃん

グラン(♂)

盲導犬協会から訓練を受けて、キャリアチェンジ犬としてアクセスにやってきました。